2011/10/25

Wax in the City

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ときは80年代前半、日本もドイツ(西)も元気だった時代、衝撃的な出来事が日本列島を襲いました。

ドイツ語圏にしてはめずらしく世界的にヒットしたバンド「NENA(ネーナ)」が来日。女性ボーカルNENA嬢は、その愛らしいルックスでお茶の間でも人気者に。まだあどけなさが残る女の子を一目見ようと、何時間も前からテレビの前で待っていた洋楽フアンも多いのでは。世界各国の音楽チャートを総なめしたとあって実力は期待通り。歌詞は意味不明、メロディーも日本人好みではないけれど、ブラウン管から流れる異国のビートに日本中が酔いしれたものでした。とそのとき、衝撃的な光景を目の当たりにするのでした。ノリノリのNENA嬢が腕を振り上げると、見えてしまったのです、生い茂ったあれが。それ以来「NENAわき毛事件」は休み時間の話題となりましたが、お茶の間ではタブーとなったのでした。

20代半ばの僕はこの頃のNENAをリアルタイムでは知りませんが、ドイツ人女性とわき毛の問題は長年のテーマです。当時16歳、まだ夏の暑さが少し残るころ、これからはじまる新学期に胸を膨らませ学校に行くと、僕の前の席に座ったのはシュテファニーちゃん。ノースリーブでへそ出しルック、腰には蝶のタトゥーという戦闘的な格好で、それだけでも見応えがありました。「アメリカの連邦制とドイツの連邦制の違いについて、誰かわかる人」と先生が質問すると、元気よく手を挙げた彼女のわきには、黒いものが…。見える場所の毛の処理は欠かさない日本の女の子を見慣れていた僕は衝撃を受け、できるだけたくさんの友達へ手紙で報告したものでした。あるとき酔った勢いで(ドイツでは飲んでもOK)当のシュテファニー嬢にわき毛ポリシーについて訊ねてみると「民主主義と平和の象徴なのよ!」と言われたのをよく覚えています。そんな彼女はいまや社会民主党青年部(Jusos)で活躍中。極めればいいことがあるものですね。

あれから9年、Tシャツ・ジーンズ・スニーカー・リュックサックが制服だったドイツ人も進化を遂げ、街のオシャレ度は先進国並みにアップ。気を使うのは外側だけに留まらず、すね毛、腕の毛、それどころか下の毛もつるんつるんに!某人気番組に名前が似ているワックス脱毛サロンチェーン「Wax in the City」は全国各地で大盛況。つるんつるんブームは男性にも押し寄せ、男性のムダ毛処理は出来る男のエチケットに。少し前まではわき毛や下の毛処理はゲイ男性の秘かな楽しみでしたが、いまやノンケもゲイもIntimrasurがトレンド。ある雑誌の調査によると、20~35歳の男性の70パーセントはわき毛を処理し、そのうち半数は下の毛も完全に処理、もう半分は下の毛を部分的に処理しているとのこと(出典は下部リンク参照)。生え始めからずっと剃っているティーンは、自分の体に毛がある状態を見たことがないのだとか。慣れというのは恐ろしいもので、先日テレビで体操の大会を見ていたとき、ドイツ選手に毛がないことよりも、日本人選手の逞しいわき毛を見ながら「この人たち、下もボーボーなのだろうか…」と気になってしかたがなかったです。

これだけ多数の人が「パイパン」傾向にあるのはヨーロッパ内でもドイツが突出しているようです。「女性らしさ」の呪縛に囚われない女性解放運動の時代から一世代経て、もう一度、反動的に「女性らしさ」を求める時代が来たのでしょうか。あるいは逆に、剃るという選択肢は女性だけでなく「男性自身」も解放したのでしょうか。よくわかりませんが、とにかくドイツでアバンチュールを楽しみたい貴女、それから貴方、夜遊び前はWax in the CityへGo! (DG)


参考(ドイツ語):
http://lifestyle.t-online.de/intimrasur-unten-ohne-auch-fuer-maenner-im-trend/id_42427126/index
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