2011/10/23

中国におけるセクマイへの「結婚圧力」

Wedding Banquet

中華圏と一言に言っても台湾・香港・大陸中国では隔たりの大きいものですが、特に大陸中国のセクシュアル・マイノリティーにとって、欠かすことのできないキーワードが「結婚圧力」です。セクマイが両親や親族から結婚を強いられるそれは凄まじいプレッシャーのことです。30年にわたる一人っ子政策の結果、両親、そして4人の祖父母の期待がすべて一人っ子に注がれている点を如実に反映しています。

儒教の本場である中華圏においては、親の意見が成人した子に与える影響が日本より遥かに大きく、また「家」の継承こそがあらゆるイデオロギーに先行する最優先課題であるため、結婚のプレッシャーは日本人が想像するよりも強くなるのです。ジェンダーやセクシュアリティについて果敢に問題提起を行っている中国社会科学院の李銀河氏によれば、大陸中国のゲイ男性の三分の一が既婚者であるとか。このような社会情勢の中では、ゲイとレズビアンが、子の結婚という強迫観念に取り憑かれた両親を安心させるために「友情結婚」を模索するのも、当然の成り行きと言えます。

香港に住んでいると、既婚ゲイの人が多い印象はありませんが、親の目を気にしてか、妻と子供とは家庭内別居しながら逞しく(?)ゲイバーの店子を続けている福建省出身の知り合いが一人います。また、相当の勇気を振り絞ってカミングアウトした母親から、40歳を過ぎて「一度女性も試してみなさいね」と避妊具をプレゼントされてしまった友人は、内モンゴル出身です。(しかもその避妊具は日本製だったと聞いて非常に複雑な心境になりました。ちなみに、香港では「岡本」が薄くて破れず気持ちいい高級避妊具ブランドとして確固たる地位を築いています。)

中華系ゲイの偽装結婚の模様を描いた「ウェディング・バンケット」が公開されたのは1993年ですが、大陸での状況は20年近く経った現在でもなかなか厳しいようです。前出の李銀河氏が何度か全人代(中国の国会に相当)に同性結婚法案を何度か提出していますが、事実上黙殺されているのが現状です。今後LGBTに対する「結婚圧力」が和らいでいくのか、中国の人口政策を行く末を含め注視してゆく必要があると感じています。(GINZA aka kazu)

参考(中国語):
http://big5.jiexieyin.org/show.aspx?id=290&cid=9
http://club.kdnet.net/dispbbs.asp?boardid=1&id=6597951&page=1&1=1#6597951
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