2011/10/30

台北同志遊行2011(台北プライドパレード2011)

Ac_ogbACQAAAvYK.jpg

Ac_ocHkCEAE3Oik.jpg

Ac_ojhnCMAAfqDh.jpg

香港から足を伸ばして、Porta Rubraと同じく2003年に始まり今年で9回目を迎える、10月29日(土)に行われた「台北同志遊行2011」に参加してきました。「同志」とは、元来文化大革命時代の中国で、一般大衆がお互いを呼び合う呼称として使われてきましたが、今ではもっぱら「同性愛者」を指します。「男同志」ならゲイ、「女同志」ならビアンといった具合です。

さて、台北のパレードですが、今回の参加は二回目。前回は一昨年2009年に行ったのですが、世界各国のメディアが多く訪れて大いに盛り上がったため、今回もかなり期待度が高かったのですが、2009年に比べると、やや盛り上がりに欠けた感が否めませんでしたが。それなりに大規模ではあり、多彩なLGBTだけでなく、LGBTをサポートする団体や家族などの姿も見られたのですが、何か前回参加した時とは少し違った印象を受けたのです。

私の感じた違和感を物語ってくれたのが、ゲイである現地の友人たちの反応でした。「パレード、行かないの?」と聞くと「行かないし関心がない」「せっかくの週末にわざわざ行く必要がない」「そもそも知らなかった。宣伝が足りないよ」という、いささか冷たい反応。せっかく来たのに、盛り上がるのは観光客だけなのでしょうか。彼らからの話をよく聞くと、もはやゲイであることが台湾ではそれほど珍しいことではなくなりつつあり、普通のゲイである、ということがパレードに行って自己主張をする理由ではなくなりつつある、という感触でした。

そんなことより、彼らの関心事は、次期総統選に出馬する蔡英文・民進党党首がレズビアンかどうか、という点に移っていました。台湾独立をモットーとする民進党だけに、LGBTの総統が生まれたら、「台湾同志国」になってしまうかも、という期待すら抱かせます。その意味で大陸出身学生が掲げた「我們來解放同志(LGBTの同志を解放しに大陸から来た)」というプラカードにも、ブラックジョークとして笑わされました。

今回のパレードに話を戻すと、プラカードを掲げてメッセージを主張する人たちの中に、LGBTである障害者や先住民、また、トランスジェンダーやインターセックスなど性自認の問題を抱える人々も目立ちました。LGBTの中にあるマイノリティ、少数派の中の少数派が主張の担い手に変わりつつあるのでしょうか。ゲイであることは、日本や香港ではまだまだ公にしにくいものです。単にゲイであることがもはや主張のモチベーションとならない台湾では、LGBTを取り巻く状況が一歩先を行っているようです。同性結婚もアジアで最初は台湾かもしれませんね。

なお、私は行きませんでしたが、パレードの後のアフターパーティーや各種の関連クラブイベントは、それなりに盛り上がっていた模様。かつてヒットした台湾版ドラマ「花より男子」を地で行くノリで、まだまだ台湾は熱いと感じた次第です。(GINZA aka kazu)

関連リンク:http://twpride.org/
Hong Kong | Comments(0) | Trackback(0)
2011/10/23

中国におけるセクマイへの「結婚圧力」

Wedding Banquet

中華圏と一言に言っても台湾・香港・大陸中国では隔たりの大きいものですが、特に大陸中国のセクシュアル・マイノリティーにとって、欠かすことのできないキーワードが「結婚圧力」です。セクマイが両親や親族から結婚を強いられるそれは凄まじいプレッシャーのことです。30年にわたる一人っ子政策の結果、両親、そして4人の祖父母の期待がすべて一人っ子に注がれている点を如実に反映しています。

儒教の本場である中華圏においては、親の意見が成人した子に与える影響が日本より遥かに大きく、また「家」の継承こそがあらゆるイデオロギーに先行する最優先課題であるため、結婚のプレッシャーは日本人が想像するよりも強くなるのです。ジェンダーやセクシュアリティについて果敢に問題提起を行っている中国社会科学院の李銀河氏によれば、大陸中国のゲイ男性の三分の一が既婚者であるとか。このような社会情勢の中では、ゲイとレズビアンが、子の結婚という強迫観念に取り憑かれた両親を安心させるために「友情結婚」を模索するのも、当然の成り行きと言えます。

香港に住んでいると、既婚ゲイの人が多い印象はありませんが、親の目を気にしてか、妻と子供とは家庭内別居しながら逞しく(?)ゲイバーの店子を続けている福建省出身の知り合いが一人います。また、相当の勇気を振り絞ってカミングアウトした母親から、40歳を過ぎて「一度女性も試してみなさいね」と避妊具をプレゼントされてしまった友人は、内モンゴル出身です。(しかもその避妊具は日本製だったと聞いて非常に複雑な心境になりました。ちなみに、香港では「岡本」が薄くて破れず気持ちいい高級避妊具ブランドとして確固たる地位を築いています。)

中華系ゲイの偽装結婚の模様を描いた「ウェディング・バンケット」が公開されたのは1993年ですが、大陸での状況は20年近く経った現在でもなかなか厳しいようです。前出の李銀河氏が何度か全人代(中国の国会に相当)に同性結婚法案を何度か提出していますが、事実上黙殺されているのが現状です。今後LGBTに対する「結婚圧力」が和らいでいくのか、中国の人口政策を行く末を含め注視してゆく必要があると感じています。(GINZA aka kazu)

参考(中国語):
http://big5.jiexieyin.org/show.aspx?id=290&cid=9
http://club.kdnet.net/dispbbs.asp?boardid=1&id=6597951&page=1&1=1#6597951
Hong Kong | Comments(0) | Trackback(0)
 | HOME |